企業経営には様々な困難がつきものです。その中でも企業の民事再生は、経営再建のための貴重な選択肢となり得るものです。このコラムでは、弁護士の視点からその手続きや実務について深堀りしていきます。
民事再生とは
民事再生は、経営不振となった企業が法的手続きを通じて、再び健全な経営を目指すためのものです。これは、事業の継続と債務の整理を行うことを中心にしています。
民事再生のメリット・デメリット
メリット
現在の経営陣による事業の継続
破産を避けつつ、再建後の事業を継続的に行うことが可能です。
債務の減額
再生計画が認可されると、大幅な債務免除により会社再建の可能性が高くなります。
デメリット
予納金等の費用の必要性
民事再生手続きを行うには、裁判所に少なくとも数百万円以上の予納金を納付する必要があります。また、弁護士に依頼した場合の弁護士費用の負担があります。
債権者からの理解を得られないリスク
債権者などの不満や反発により、経営陣や再建計画に対して債権者の理解が得られないと、
担保権実行のリスク
債権者が抵当権などの担保権を行使して競売にかけられることがあります、その場合、事業継続に必要な財産を失う可能性があり、事業の再建ができなくなるリスクがあります。
社会的信用の低下
民事再生手続により債務の減額が可能ですが、債権者にとっては債務の履行がなされたかったことを意味します。そのため、その後の融資などの取引において、信用が低下してしまうことは避けられません。
民事再生を行う際のポイント
早期の対応
企業が直面する困難に対し、適切なタイミングでの対応が極めて重要です。経営状況の悪化を早期に察知し、対策を講じることで、より多くの選択肢を持つことができます。
再生計画の策定
再生計画は、民事再生手続きの成功の鍵です。この計画は、債権者が納得するものでなければなりません。従って、実現可能性の高い計画を策定することが求められます。
情報の透明性
債権者や取引先への情報提供は、再生手続きの透明性を保つために必要です。正確かつ迅速な情報提供を心掛けることで、関係者の理解と協力を得られます。
外部のサポート
再生手続きは専門的知識を要するものです。経営者や内部スタッフだけでなく、専門家や弁護士のサポートを積極的に取り入れることをおすすめします。
民事再生については弁護士にご相談ください
民事再生は、経営再建の一つの手段ですが、その手続きは複雑です。弁護士のサポートを受けることで、よりスムーズな手続きが期待できます。再生手続きを検討する際は、ぜひ専門家に相談してください。
Last Updated on 2023年9月25日 by kigyou-sugano-law