飲食店でよくある残業代請求トラブル3選について弁護士が解説

飲食店でよくある残業代請求トラブル3選

飲食店経営者が直面する問題の一つに、従業員の残業代請求トラブルがあります。残業代を正確に計算せずに支払わなかったり、勤務時間外の業務を行っているにもかかわらず残業代を支払わなかったりすることで、労働者とのトラブルが発生することがあります。ここでは、飲食店でよくある残業代請求トラブルの事例を紹介し、経営者側が適切に対応する方法について解説します。

【事例1】「パートタイムの従業員から残業代を請求された」

パートタイムの従業員が、勤務時間外に店舗清掃や食材の仕込みをしているにもかかわらず、残業代が支払われていないことを申し立ててきました。経営者側は、パートタイム従業員の場合、1日あたりの勤務時間が短いために残業代を支払う必要がないと考えていましたが、従業員が行っている業務は明らかに業務時間外に行われるものであり、残業代が支払われるべき業務でした。

この場合、経営者側が適切に対応するためには、まずは従業員の実際の勤務時間を正確に把握することが必要です。勤務時間を記録する方法としては、出勤簿やタイムカード、勤務管理システムなどがあります。また、勤務時間外に行われた業務が残業代対象の業務であるかどうかを確認することも重要です。法律で定められた残業代の計算方法を確認し、正確な金額を算出することが必要です。

【事例2】「定額で残業代を支払っていたらトラブルになった」

残業代を一定の決まった金額で支払うことを「固定残業代」といいます。経営者側とっては、人件費が把握しやすくなるというメリットがあります。また、従業員にとっても、早く仕事を終わらせた分だけ得をすることになります。

もっとも、実際には、いくら残業しても決まった金額の残業代しか支払われずに、トラブルになってしまうことがあります。

経営者側がこのようなトラブルを防ぐためには、雇用契約書の内容に注意し、基本給と残業代を明確に分けているか、対象となる残業時間は明確になっているかどうか、検討する必要があります。

【事例3】「出勤時間前や閉店後の業務に対する残業代請求がなされた」

例えば、開店前に仕込み作業や清掃を行ったり、閉店後に片付けやレジの締め作業を行ったりする場合、これらは労働時間に含まれる可能性があります。しかし、飲食店によっては、従業員に対して「開店前に仕込みや清掃を行ってほしい」という依頼を出したり、「閉店後に片付けを行ってほしい」という依頼を出したりすることがあります。その場合、時間外労働として残業代が発生することがあります。

このような場合、従業員とのコミュニケーションが非常に重要です。事前に、従業員と出勤時間や業務の内容について明確な了解を得ることが必要です。また、従業員が希望する場合は、時間外労働に対する手当を支払うことも検討してください。このような対応をすることで、従業員とのトラブルを未然に防ぐことができます。

弁護士による飲食店の法的トラブル対応

雇用契約書の整備

労務トラブルになると、裁判所はまず、「労使間の契約内容」に着目します。あるべきはずの雇用契約書がなければ、経営側に不利な判断がなされるリスクがあります。

また、作成しているとしても、その内容が適切でなければいけません。先に述べた固定残業代のように、雇用契約書の内容が不明確だと、契約書そのものがトラブルの原因になってしまいます。

もし「これまできちんとした雇用契約書を作っていなかった」という場合には、今後のために適切な雇用契約書の作成をサポートいたします。

残業代請求に対する交渉

本来は、残業代のトラブルが起こらないように労務環境を整備すべきですが、どうしてもトラブルになってしまうことはあります。そのような場合には、適切な対応をすることで、お店にとって悪影響が生じることを防ぐ必要があります。

弁護士が代理人として、経営者の代わりに従業員と交渉することで、法的ルールに沿った解決を目指し、従業員側の納得を得て早期解決を目指すことができます。

以上、飲食店でよくある残業代請求トラブルについて、3つのケースを取り上げて解説しました。労働法に基づき、従業員に対する適切な対応を行うことが、トラブルを未然に防ぐために非常に重要です。飲食店の経営者の方は、従業員とのコミュニケーションをしっかりと取り、労働法に基づいた適切な対応を行うことをお勧めします。

飲食店で顧問弁護士をお探しの方へ

飲食業における労務問題について弁護士が解説

Last Updated on 2023年6月20日 by kigyou-sugano-law

ご相談のご予約はこちらから TEL:011-209-0200 受付時間9:00~17:00 すがの総合法律事務所 ご相談のご予約はこちらから TEL:011-209-0200 受付時間9:00~17:00 すがの総合法律事務所 メールでのお問い合わせはこちら